いろいろな方がいろいろなお悩みでご相談にいらっしゃいますが、お話をお聴きしていくと「自信がない」ということにたどり着くことが少なくありません。
「自信がある」と言うと「自信過剰」の意味に誤解されることがありますが、目指すのは適切な自信をもつことです。ちなみに、自信過剰は自信がないことの裏返しです。ですから、自信満々で偉そうにしている人に脅える必要はありません。本当に自信のある人は、もっと力が抜けていて余裕があるはずです。
自信がないと悩んでいる方は、自分のことがあまり好きではないとおっしゃることが多いのですが、たしかに好きになれない自分に自信をもつというのは難しそうです。ということは、自分のことが少しでも好きになれれば、その分自信がつくということではないでしょうか。
では、どうしたら自分のことが少しでも好きになれるのか。
それには自分のことをもっとよく知ってあげること。そして、なんだかんだ言いながら頑張って生きている自分を認めてほめてあげること。自分の傾向を知って、少しでも快適に過ごせるよう環境調整に努めること。何よりも、「私は幸せになっていい」と自分に許可をだしてあげること。つまり、自分のことを大切にしてあげるということです。
自信がなくて弱っているときは、自分を大切にできていないことが多いもの。むしろ、自分にダメ出しをして追いつめているのではないでしょうか。そんなときのあなたは、外で飢えや寒さに震えている子犬や子猫のような状態です。この子を大事にケアしてあげるように、自分のことを慈しみ「よしよし」と自信を育ててあげてほしいのです。
また、自信のない方は罪悪感をもっていることも多いのですが、もし罪悪感を愛しているのでなければどうか勇気を出して手放してください。
あなたは何か罪を犯しているのですか。誰かに危害を加えたのですか。そうでないなら、罪悪感をもつ必要はありません。必要のない罪悪感はむしろ有害です。罪悪感をもっている限り、自分を好きにはなれないでしょうし、自信をもつこともできないでしょう。
自分を責めても状況は何も改善しません。ただ自信がなくなって、自分が損をするだけです。自信をもちたいなら、罪悪感を手放し、自分を許してあげましょう。
もしかしたら、今まで誰かにダメ出しをされたことがあって、今はその人に変わって自分で自分にダメ出しをしているのかもしれません。もし、今も誰かにダメ出しをされているのだとしたら、すぐにその人から離れてください。ダメ出しは人格否定です。あなたを大切にしてくれない人とつきあう必要はありません。子どもだったときはその環境にいるしかなかったかもしれませんが、大人になれば自分で環境を選ぶことができます。
あなたをいちばん大切にできるのはあなた自身だということをどうか忘れないでください。
自分を大切にするとは、できるだけ自分を心地よくさせてあげること、自分を満たしてあげることです。具体的には、できるだけ多くの時間を好きなことや気持ちいいこと、楽しいことをして過ごすようにしましょう。
もしあなたが一人暮らしで疲れて休みの日に家事をする気になれないなら、いっそ一日何もしないと決めて思いっきりゴロゴロし、「あー、気持ちいい。極楽、極楽。」と大いに幸せを味わってください。家事をしなくても一人なら誰にも迷惑をかけるわけじゃなし、「一日何もできなかった。ダメな私・・」などと自分を責める必要はありません。プライベートの時間は何をしてもあなたの自由なんですから。
プライベートの時間に成果は要りません。仕事で成果を求められてストレスを感じている分、オフでは自由に自分をくつろがせてあげてください。
ちなみに、成果による自信は本当の自信ではありません。成果による自信は評価によるもので、他人を意識せざるを得ず、もっともっととキリがありません。これに対し、本当の自信とは、「自分はこうありたい」という自分であることで得られる自己肯定感のことで、他人は関係ありません。
たとえば、「自分に正直でありたい」、「できるだけ心穏やかにいたい」、「自分にも他人にもやさしくありたい」、「調子が悪くても今のベストを尽くしたい」など、こうありたいと願い、できるだけそうあろうとする心構えをもつことが自己肯定感になるのです。
今、自信がなくて辛い思いをされている方、もしよければ、ありたい自分の姿をイメージしてみるところから始めてはいかがでしょうか。
穏やかな日々を送るために、ひとりでは切り替えが難しいときはカウンセラーによるサポートを受けてみませんか。
ご一緒にあなたの問題を考え、整理して、納得のいく解決法を提案いたします。